ストリートファイターZERO、MARVEL VS.シリーズ、CAPCOM VS. SNK — 格闘ゲーム黄金期の思い出とカプコンへの願い

ゲーム

ストリートファイターIIの思い出を振り返った前回の記事に続き、今回はその後夢中になったシリーズたちを振り返ってみたいと思います。ZEROシリーズ、MARVEL VS.シリーズ、CAPCOM VS. SNK——90年代後半から2000年代にかけて、格闘ゲームがどんどん進化し、思いもよらないコラボレーションが実現していった時代の記憶です。

ストリートファイターZEROシリーズ

ZERO1:スト2とは違う絵柄に戸惑った出会い

最初にZEROの存在を知ったのは、たしかゲーメストのような雑誌でした。誌面で見たとき、スト2とはキャラクターの絵の描き方がまったく違うことに驚いたのを覚えています。ザラザラとした質感のアニメ調のグラフィックで、それまでのスト2とは明らかに違う雰囲気でした。

キャラクター数も、当時プレイしていたX(Grand Master Challenge)より少なく、正直拍子抜けした記憶があります。実際にプレイしたのは、友人の家にあったセガサターン版でした。

ZERO2:PS1購入のきっかけになったゲーム

ZERO2は、私にとって特別なタイトルです。オリジナルコンボが実装されると聞いて期待感が高まり、これがきっかけでPS1を購入することになりました。

最初にプレイしたのは、高校の通学路にある本屋に置かれていた筐体でした。学校帰りに立ち寄ってプレイしていたのですが、正直なところ、スト2で格闘ゲームにはある程度慣れていたこともあり、当時それほど大きな感動はありませんでした。

家庭用は、もともとスーパーファミコン版を待っていたのですが発売時期がかなり遅かったこともあり、結局PS1本体と同時にZERO2を購入することになりました。最初は豪鬼やケンを使っていましたが、気づけばさくらを使うようになっていました。

家庭用版で気になったのはBGMでした。特に分かりやすかったのが、対戦前のVS画面が「Z」の字型に切り裂かれる演出です。あの演出自体はかっこいいのですが、流れる音楽の音程がアーケード版とはまったく違っていて、正直モチベーションが下がってしまうくらいの違和感がありました。この問題が解消されたのは、ずっと後になって発売された「ストリートファイターZERO ファイターズジェネレーション」でのことです。

ZERO2で一区切り、格闘ゲームから離れた日々

実を言うと、私はZERO2でひとつの満足感を得てしまい、しばらく格闘ゲームから離れることになります。ZERO1からZERO2までの期間と比べて、ZERO2からZERO3までのリリース間隔は体感的に長く感じられ、結果としてZERO3はリアルタイムでプレイしませんでした。

ZERO3:テイストの変化に戸惑った再会

しばらく経ってから触れたZERO3は、ZERO1・ZERO2までとはかなりテイストが変わっていて、正直戸惑いを覚えました。同じZEROシリーズを名乗りながらも、大きく作りあ変えた実験的な一作だったようで、当時似たような感覚を抱いた方も、意外と多いのではないかと思っています。

中でも最も違和感を覚えたのは、実はBGMでした。ZERO1・ZERO2までは、シリーズおなじみのメロディックな曲調が魅力でしたが、ZERO3では全曲が新規に作り直され、メロディよりもビートを重視した作風に一新されていたのです。当時「同じZEROシリーズなのに、まるで別のゲームの曲みたいだ」と感じたのを覚えています。ビート主体の音源に馴染みがなかったせいか、誰のステージの曲なのかを覚えるまでに非常に時間がかかりました。後から知ったのですが、この音楽性の変化は当時のプレイヤーの間でも賛否が分かれていたようで、当時の私と同じように感じていた方は、決して少なくなかったのだと思います。

MARVEL VS.シリーズ

X-MEN CHILDREN OF THE ATOM:豪鬼を使いたい一心で

MARVEL VS.シリーズとの出会いは、初代のX-MEN VS. STREET FIGHTERでした。正直なところ、X-MENのゲームがプレイしたいというよりも、豪鬼が登場すると知ったことがプレイのきっかけでした。ただ、操作性がなかなかとっつきにくく、アーケードでの稼働台数も少なめだったこともあり、操作を覚えきる前に筐体が撤去されてしまうことも多かったです。これ以降、格闘ゲームは家庭用中心にプレイするようになっていきました。

MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER:憲磨呂の思い出

X-MEN VS. STREET FIGHTERとMARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTERは、どちらもセガサターン版でプレイしました。特にMARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTERに登場した「憲磨呂」は、思い出深いキャラクターです。

このキャラクターは、テレビ番組「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」との連携企画から生まれたキャラクターで、番組内で木梨憲武さんが演じていた「木梨憲太郎」というキャラクターとしてデザインされ、声も木梨さん自身が担当していました。名前も番組内での一般公募によって決まったそうです。ゲームの制作過程がテレビで取り上げられるという、当時としては珍しい試みで、強く印象に残っています。

MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES、MARVEL VS. CAPCOM 2 New Age of Heroes:大学生になってからの再会

MARVEL VS. CAPCOMとMARVEL VS. CAPCOM 2は、大学生の頃にアーケード版をプレイした記憶があります。シリーズを重ねるごとに、キャラクターの動きも演出もどんどん派手になっていったのが印象的でした。

(私見)海賊版と、あの派手な演出の関係

ここからは、あくまで個人的な想像に過ぎない話です。MARVEL VS.シリーズの特徴として、長時間の空中ジャンプや、空中での必殺技連発が可能になったことが挙げられます。これは、かつてストリートファイターII’(ダッシュ)の海賊版として出回っていた「レインボー」で人気だった、キャラクターを自在に操ったり技を連発したりする無秩序な面白さと、どこか通じるものがあるように感じています。

もちろん、カプコンが公式にそんなことを認めるはずはありません(笑)。あくまで当時から今に至るまで、私が勝手にそう感じているだけの話です。ただ、あの自由度の高さ、常識を超えた派手さは、海賊版が持っていた無秩序なカオスさを、公式が正規のゲームデザインとして昇華させたのではないか——そんな風に思わずにはいられないのです。

CAPCOM VS. SNKシリーズ

1作目:夢のようなコラボレーション

CAPCOM VS. SNKの1作目は、アーケード版をプレイしました。カプコンとSNK、2つの会社のキャラクターが同じ画面で戦うというのは、当時の私にとって夢のような感覚でした。

2作目:家庭用でのプレイ

2作目は、家庭用のみでプレイしました。1作目に比べてキャラクターも大幅に増え、システムもより作り込まれていた印象があります。

実質「スト2 VS KOF」だった件

ただ、当時から感じていたのは、これは実質的に「ストリートファイター VS KOF」だったのではないか、ということです。CAPCOM側のキャラクターはほとんどがストリートファイターシリーズ出身で、その多くがスト2にも登場していたキャラクターでした。一方のSNK側は、KOFに出場済みのキャラクターに大きく偏っていました。カプコンの他タイトルや、SNKの餓狼伝説・龍虎の拳といった他シリーズのキャラクターは、もっと出てきてもよかったのではと、当時から思っていました。

「スパIIX vs 餓狼伝説スペシャルだったら」という願い

当時、私が個人的に思い描いていたのは「スーパーストリートファイターIIX vs 餓狼伝説スペシャルだったらよかったのに」ということでした。理由は単純で、この2つが当時の2大人気格闘ゲームだったからです。

実は、ストリートファイターと餓狼伝説は、姉妹のような関係にある作品です。初代ストリートファイターを手がけた西山隆志さんが、その後カプコンを離れてSNKに移籍し、初代ストリートファイターの精神的続編として作り上げたのが餓狼伝説だったのです。カプコン派、SNK派と対立的に語られがちなこの2作品ですが、実はルーツを同じくしていたと知ったとき、驚きとともに、なんとも穏やかな気持ちになったのを覚えています。この事実を知ったのは、意外にもつい数年前のことでした。

ヴァンパイアシリーズについて

MARVEL VS.シリーズやCAPCOM VS. SNKシリーズには、ヴァンパイアシリーズのキャラクターたちも数多く登場しています。ただ正直に言うと、私はヴァンパイア本編についてはあまりプレイできていません。当時の私には操作や立ち回りが難しく、ほとんど手が出せなかったというのが実情です。それでも、モリガンをはじめとするキャラクターたちには、他タイトルへの客演を通じて親しみを持っていました。

スト3〜6、その後の系譜

ストリートファイターIII(3rd)は、大学生の頃にアーケード版をプレイしたことがあります。当時から「玄人向け」という印象が強く、ブロッキング(受け流し)をはじめとするシステムの奥深さに、簡単には踏み込めない敷居の高さを感じていました。

それ以降のIV・V・6については、家庭用版を触ったことはあるものの、じっくり腰を据えてプレイしたわけではありません。キャラクターが3Dグラフィックで表現されるようになったことも大きな変化で、私にとっては軽く触れる程度にとどまっています。時代とともにシリーズが進化していく様子を、少し距離を置きながら見てきた、というのが正直なところです。

カプコンへのお願い——ファイティングコレクション3に望むこと

もし今後「カプコン ファイティング コレクション3」のようなタイトルが発売されるなら、ぜひ実現してほしいことがあります。それは、ストリートファイターZERO2αのネット対戦の実現です。

ZERO2のオンライン対戦は、いまだに実現していません。個人的な本音を言えば、ノーマル版のZERO2そのものの収録の方が嬉しい気持ちもあります。ただ、一度どこかのコレクションに収録されたタイトルが、別のコレクションに再収録されることは考えにくいのが実情です。であれば、まだ収録されたことのないZERO2α(アルファ)を収録し、そこでネット対戦を実現してもらう方が、実現の可能性としては高いのではないかと考えています。

当時、本屋の筐体でZERO2に出会い、PS1を買うきっかけにまでなった身としては、あの頃の対戦を今の時代にもう一度、しかもオンラインで味わえる日が来ることを、ひそかに願っています。

今でも遊べる、あの頃のシリーズたち

こうして振り返ってきたシリーズの数々、実は今でも遊べる形で手に入ります。MARVEL vsシリーズは「MARVEL vs. CAPCOM Fighting Collection: Arcade Classics」に、X-MENからMARVEL VS. CAPCOM 2まで全7タイトルがまとめて収録されており、あの憲磨呂が登場するMARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTERも遊べます。

CAPCOM VS. SNKシリーズは「カプコン ファイティング コレクション2」に1・2作目ともに収録。ストリートファイターZERO3(アッパー版)も一緒に楽しめます。どちらもオンライン対戦に対応しているので、当時の熱狂を今の環境で味わい直せます。

今すぐ遊べる格闘ゲームコレクション

当時はまだ、格闘ゲームが世界大会でスポンサーを集めるような一大競技になるとは想像もしていませんでした。今ではレッドブルやモンスターエナジーが数々の大会を後押しする時代です。対戦の合間に一息つきたいとき、当時を思い出しながら一本、なんていうのもいいかもしれません(もちろん飲みすぎには注意です)。

まとめ

ZEROシリーズの絵柄の変化に戸惑い、MARVEL VS.シリーズの派手さに圧倒され、CAPCOM VS. SNKシリーズで夢のようなコラボレーションに胸を躍らせる——振り返ってみると、この時期の格闘ゲームは、進化のスピードそのものが青春の一部だったように思います。

技術も表現も、そして会社同士の関係性さえも移り変わっていく中で、当時夢中になったゲームたちへの記憶は、今も色あせることなく残っています。願わくば、あの頃の熱狂を今の時代にもう一度味わえる機会が、これからも増えていってほしいと思います。

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