聖闘士星矢の魅力【第3部】|ヒルダ編・ポセイドン編と海の戦いの記憶を語る

【1. 導入】

黄金十二宮編が終わっても、聖闘士星矢は終わらなかった。

アスガルドの神々をめぐるヒルダ編、そして海皇ポセイドンとの戦いを描くポセイドン編へと続いていく。テレビアニメをリアルタイムで見ていた自分にとって、この2つの編も子供時代の記憶に刻まれている。

ただ正直に言うと、ヒルダ編よりもポセイドン編の方が圧倒的に印象に残っている。理由のひとつは、ヒルダ編が原作にないアニメオリジナルだったことかもしれない。それでもアスガルドの戦士たちのクロスは印象的だった。

【2. ヒルダ編】

ヒルダ編はアニメオリジナルの編ということもあり、黄金十二宮編ほどの印象は正直薄い。しかしアスガルドの戦士たちのクロスは別格だった。

特に印象に残っているのはジークフリートのクロスだ。龍の頭部を模したパーツを肩に装着するデザインは、他のクロスにはない威圧感と存在感を放っていた。アニメよりもむしろクロスの方が記憶に残っているというのが正直なところだ。

双子の虎のクロスを持つミドとバドも印象的だった。双子という設定がセイントクロスとしての対になるデザインに反映されており、子供心に「揃えたい」と思わせる魅力があった。

後から調べてわかったのだが、エータローブというクロスを纏う戦士ミーメが印象的だ。竪琴を装備し、その高速拳はサガに匹敵するレベルとも言われている。当時子供たちの間で最強クラスと噂されていたのも納得だ。

【3. ポセイドン編へ】

ヒルダ編が終わり、舞台は海へと移った。海皇ポセイドンとの戦いを描くポセイドン編だ。

印象に残っているのは、ゴールドセイントたちが時折「自分たちが行けばすぐにアテナを救出できる」というようなことを口にしていたことだ。黄金十二宮編であれだけ苦しめられた格上の存在が、頼もしい味方として描かれる。その構図の変化が子供心に不思議な感覚を与えた。

ブロンズ聖闘士たちが必死に戦う一方で、ゴールドセイントたちの圧倒的な余裕感。それでも簡単には終わらないのが聖闘士星矢の世界だった。

【4. シードラゴンのカノン】

ポセイドン編で最も印象に残ったキャラクターは、シードラゴンのカノンだった。

初めて仮面を外した瞬間、思わず「サガ?」と思った。それほどまでにサガと瓜二つの顔をしていた。双子の弟という設定を知っていても、実際に顔が現れた瞬間の衝撃は大きかった。悪役として退場したはずのサガが甦ったような感覚、あの驚きは今でも覚えている。

しかしカノンはサガとは全く異なるキャラクターだった。海皇ポセイドンを利用して征服を果たそうとする一方、ジュリアンソロが完全に海皇として覚醒してしまえばコントロールできなくなると警告する場面もあった。力で支配しようとしたサガとは違い、海皇を操ることで目的を達しようとしたカノン。同じ顔を持ちながら、全く違うアプローチをとる双子の対比が面白かった。

【5. ソレントと海闘士たち】

ポセイドン編の敵、海闘士たちの中でセイレーンのソレントは特に印象的だった。

武器が笛というのが他の聖闘士や海闘士とは一線を画していた。笛の音色から放たれる周波数による攻撃は、力や速さで戦う格闘スタイルとは全く異なる異質さがあった。音という目に見えないものが武器になるという発想が、子供心に強く刺さった。

アフロディーテのバラ、ソレントの笛。聖闘士星矢には通常の格闘技とは全く異なる独自の武器を持つキャラクターが登場し、それが作品の幅を広げていたと思う。

【6. カノンとサガ、双子の対比】

シードラゴンのカノンというキャラクターを振り返ると、兄サガとの対比が面白い。

サガは教皇になりすまし、力で聖域を支配しようとした。善と悪の二面性を持ちながらも、直接的な支配を求めたキャラクターだ。一方カノンは海皇ポセイドンという絶大な力を持つ存在を利用し、その力を借りて征服を果たそうとした。

同じ顔、同じ出自を持ちながら、全く異なるアプローチをとる双子。サガが悲劇的な悪役として描かれたのに対し、カノンはどこか計算高い策士として映った。

聖闘士星矢というアニメは、こういった複雑なキャラクター造形が随所に散りばめられていた。子供向けアニメでありながら、善悪の単純な二項対立では語れない人間ドラマがあった。それが今でも色褪せない理由のひとつだと思う。

【7. まとめ】

ヒルダ編、ポセイドン編と続いた聖闘士星矢のアニメは、ポセイドン編をもって自分のリアルタイム視聴の記憶が終わる。その後のハーデス編やエリシオン編は見ていない。

それでもヒルダ編のアスガルドの戦士たち、ポセイドン編のカノンとソレント、そしてゴールドセイントたちの頼もしい姿は今でも鮮明に覚えている。

サガとカノン、同じ顔を持つ双子が全く異なる道を歩んだこと。音や笛など独自の武器を持つキャラクターたちの個性。聖闘士星矢というアニメは子供向けでありながら、大人になって振り返っても発見がある作品だと思う。

社会人生活の限られた時間の中ではあるが、いつかハーデス編以降も見てみたい。あの頃の続きを、大人になった目で見たらどう映るのか。それが今の正直な気持ちだ。

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